
「輸入ということは関税がかかるのかな?」
「計算も難しそうだし、関税がかからない方法はないのかな?」
確かに、私も中国輸入を始めた頃、急に関税の請求が来てびっくりしたことがあります。
関税のことを何も考えずに仕入れたので、金額にもびっくりしました^^;
今回は物販ビジネス初心者が押さえておくべき、関税の基礎と関税を気にせず中国輸入する方法をご紹介していきます。



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関税とは


関税とは、一般的に「輸入品に課される税」で、税関により徴収されます。
関税は国内産業を保護するためにあります。
海外からの輸入品が国内品より安すぎると、国内産業が潰れてしまう可能性があるため、価格を均一にする目的もあり、関税が課されています。
全てのケースで関税を払わなければいけないわけではありません。
条件によって免税となる場合や、商品によって無税のものもあります。
また、詳細は↓後述していますが、虚偽の申告をして関税を免れる行為は脱税にあたりますので、自分が仕入れる商品に関税がかかるのかどうか、きちんと把握しておきましょう。
個人輸入と一般(商用)輸入の違い
関税は「個人輸入」か「一般(商用)輸入」かによって、課せられる税金が異なります。
自分で海外のショップ等から自分のために直接購入する場合は「個人輸入」。
目的がビジネスであれば「一般(商用)輸入」となりますので、中国輸入ビジネスは「一般(商用)輸入」ということになります。



ちなみに、「個人輸入」か「一般(商用)輸入」かは税関で判断されます。申請者が決めることではありません。
どちらの場合も、課税対象額が1万円以下であれば関税および後述のその他の費用も免除されます。
※革製のカバン、手袋等、編物製衣類(セーター等)、スキー靴、革靴等は免税の対象外となります
個人か一般かの大きな違いは、課税対象額の計算方法です。
- 個人輸入の場合は、商品代金単体で1万6666円以下であれば免税となります。1万6666円以下というのは、1万6666円に60%をかけると9999.6円になるためです。
- 商用輸入の場合は送料や保険料、代行業者を利用すればその手数料も合わせた金額が1万円以下の場合に免税となります。
関税率と品目について


簡易税率と実行税率の違い
仕入れる商品の課税対象額によって簡易税率または実行関税率が適用されます。
課税対象額が20万円以下の場合は簡易税率が適用され、20万円を超えると実行関税率が適用されます。
簡易税率と実行関税率では、税率が定めらている品目数が異なり、簡易税率は7品目と簡単に把握できますが、実行関税率は種類が多すぎるので税率を調べなければなりません。



物販ビジネス初心者の場合は、最初から20万円を超える仕入れを行うことは少ないと思いますが、仕組みだけは把握しておきましょう。
簡易税率の品目と税率
課税対象額が20万円以下の小額輸入貨物に対して適用される簡易税率です。
つまり、課税対象額が1万円以上20万円以下の場合は、課税対象額に以下の税率をかけた金額を関税として支払います。
1 | 酒類 (1) ワイン (2) 焼酎等の蒸留酒 (3) 清酒、りんご酒 等 | 70円/リットル 20円/リットル 30円/リットル |
2 | トマトソース、氷菓、なめした毛皮(ドロップスキン)、毛皮製品 等 | 20% |
3 | コーヒー、茶(紅茶を除く)、なめした毛皮(ドロップスキンを除く) 等 | 15% |
4 | 衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものを除く) 等 | 10% |
5 | プラスチック製品、ガラス製品、卑金属(銅、アルミニウム等)製品、家具 等 | 3% |
6 | ゴム、紙、陶磁製品、鉄鋼製品、すず製品 | 無税 |
7 | その他のもの | 5% |
ただし、以下のものには課税対象額に関わらず、次項の実行関税率が必ず適用されます。
- 米などの穀物とその調製品
- ミルク、クリームなどとその調整品
- ハムや牛肉缶詰などの食肉調製品
- たばこ、精製塩
- 旅行用具、ハンドバッグなどの革製品
- ニット製衣類
- 履物
- 身辺用模造細貨類(卑金属製のものを除く)
実行関税率の分類
課税対象額の合計課税価格が20万円以上の場合に適用されるのが実行関税です。
実行関税率は21部で構成され97分類に税率が分けられているので課税対象額が20万円以上の大口取引をする場合には、事前に各税関の相談窓口に確認することをおすすめします。



電話で問い合わせるのはハードルが高そうに感じられる方もいるかもしれませんが、とても丁寧に説明してくれますので、管轄の税関に問い合わせてみましょう^^
関税のかからない品目
中国輸入における関税は、すべての商品に対してかかるものでなく、なかには関税のかからない商品もあります。
以下はその一例です。
関税はかかりませんが、課税対象額が1万円以上の場合は、後述のその他の費用はかかります。
- 腕時計、その他の時計
- パソコン
- デジタルカメラ、ビデオカメラ
- ピアノ、弦楽器、吹奏楽器
- ブルーレイディスク、CD
- 書籍、雑誌(49類)
- 楽譜、ポスター、複製画、カタログ類
- 肉筆の書画、版画、彫刻
- 香水、オーデコロン、口紅、マニキュア用品、化粧水
- 玩具(人形を含む)
- 乗用自動車、オートバイ
- モーターボート、ヨット、カヌー
- スキー用具、ゴルフクラブ
- 腰掛け、家具(事務所・台所・寝室用)
関税以外に必要な費用


商品を輸入する場合、中国輸入に関わらず、関税以外にも以下の費用がかかります。
課税対象額が1万円以下の場合は、関税および以下の費用も免税されます。
- 消費税(+地方消費税)=10%
- 税関手数料=課税対象の荷物1箱につき200円
- 中国輸出通関手数料=中国輸出の際に発生する通関手数料として1箱につき4元(約80円)
関税はいつどうやって支払うのか


中国輸入の場合、EMSであれば郵便局、それ以外であれば国内に入ってからはヤマト運輸か佐川急便の配送になることが多いと思います。
小口の商品ですと、事前に確認などなしに関税が決定され、請求されるケースが多いです。
商品到着時に配送業者に支払う(代引き)
個人輸入の場合は代引きが多いと思います。DHLやFedExなどは通関時に連絡が来て事前にクレジットカード払いなどを選択できますが、中国輸入ではあまり利用されません。
後日請求書払い
商品を顧客に直接発送する場合やFBA倉庫に直送する場合は、後日自宅にコンビニ払いなどの請求書が届きます。
絶対ダメ!違法申請


「アンダーバリュー(Under Value)」という言葉を聞いたことはありますか?
これは購入した商品代金より安い金額をインボイスに記載して申告する行為です。
税関は、インボイスに記載の申告金額から関税を算出します。
つまり、本当の商品代より安い商品代を記載することで、関税を下げることができる、ということなのですが、これは明らかな「脱税」で刑事罰の対象となります!
例えば免税であるサンプル商品だと偽って申告することもアンダーバリューに該当します。
アンダーバリューは、バレます。
そしてペナルティとして過少申告加算税(ミスの場合・税金の差額×10~15%)または重加算税(故意の場合・税金の差額×35%)そして、延滞税(税金の差額×最大で年率14.6%が、輸入から発覚するまでの期間分)発生します。
さらに、税関のブラックリストに入ってしまうので、荷物は念入りに調べられ、通関にとても長く時間がかかります。



正しく申告し、納税し、健全なビジネスを行いましょう!
関税を安くする方法


ここまでざっと関税についてお話ししてきましたが、関税を安くする方法はもうお分かりでしょうか。
仕入れ価格を1万円以下に
商品リサーチの時点で関税も考慮して商品やコンセプトを決めましょう。
卸売価格+送料+保険料+(手数料)を1万円以下にするには、顧客に直接発送してもらうのが◎。
送料は重さがベースとなるので、軽くて小さいものなどを選びましょう。
無税の商品を仕入れる
先に紹介した、関税のかからない品目↑を取り扱えば、まとめてFBA倉庫に直送しても、自宅に送っても、経費は消費税と通関手数料だけになります。
また、RCEP(アールセップ)協定の発効により、段階的に91%の品目が2022年1月から段階的に「免税」になる見通しです。
自分の取り扱いたい商品が無税かどうか、事前に調べておきましょう。



RCEPについてはちょっと難しく、説明が長くなるので、気になる人は調べてみてくださいね。
まとめ:関税を気にせず中国輸入する方法とはズバリ!無在庫物販!
中国輸入に関する関税についてまとめると、
・卸売価格+送料が1万円以下の場合は免税
・卸売価格+送料が1万円以上の場合の経費は卸売価格+送料 + 関税 + 消費税10% + 税関手数料 + 中国輸出通関手数料
・関税や手数料も含めて仕入れ額と考えて、販売する商品やコンセプトを決めよう
・わからないことは税関に聞いてしまおう!
ということで、物販ビジネス初心者が関税を気にせず中国輸入する方法とは、ズバリ!無在庫物販なのです!
無在庫物販であれば、直接顧客に商品を発送するため、取り扱い商品の価格+送料を1万円以下のものに限定すれば、関税のことを気にすることなく運用することができるのです^^
実際に私は無在庫物販を始めてから関税を気にすることはありません。
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